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味と病気と治療

味覚は人間にとってとても大切な五感のうちの一つです。
身体の調子が悪くなると味覚がおかしくなることがあります。

 

塩気を感じなくなったり、辛いものでも平気で食べる辛さを感じにくい人もいます。

 

「良薬口に苦し」と昔から言われていて、薬は苦くてまずいのが普通です。

私は以前体調が悪かった時、生薬(薬草を乾燥したもの)の漢方を飲んだとき、「どうしてこんなにまずいのか?」と思ったものです。

身体を治したい一心で、飲みましたが、生薬の場合、最後に煎じた液の下にドロドロした溜まり液があって、それを飲むのがとてもきつかったです。

 

しかし、このような苦みは体調を整えるためにとても大切で、苦くないと薬効も発揮されないといえます。

以前のブログにも書きましたが、顆粒剤のような飲みやすい漢方は、効果が半減してしまいます。

緑茶が体に良いというのは皆さんもよくご存じだと思いますが、緑茶には結構苦みがあります。
苦みが薬効の一部といえるからです。

 

キャベツなどの葉野菜にも苦みがあるものが多く、白菜や、ネギにも独特の苦みがあります。

キャベツはキャベジンといった胃腸薬にも使われていますし、ネギは白い部分も青い部分も冷えや熱などの不調があるときに食べると効果が高い野菜といえます。

 

沖縄の人は苦瓜をよく食べますが、苦瓜は夏の暑い時期に「心」にかかる負担を取り除いてくれます。

これは「心」は五行で表すと色は「赤」で、赤は熱を意味します。夏は暑いために心に熱がかかり負担過剰になりやすいです。苦みは「心」を養う性質があるので、苦瓜などが効果があるのです。